ライフスタイルと間取りづくり
こんにちは。
相塲工務店の相塲です。
弊社は鹿児島市で、注文住宅、リフォームを展開しております。
自然素材はもちろん、高性能住宅や、設計の工夫で住んだ後を大事にした家づくりを皆様にご提供しています。
本コラムでは、弊社の家づくりについての考え方や、家づくりをお考えの皆様に”失敗しない”ための家づくりの考え方を知ってもらえたらと思います。
皆様は「ながら作業」と聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか。
・テレビを見ながら、ご飯を食べない
・喋りながら、勉強しない
など少し子供に対して怒る場面で、「ながら」と使っているかもしれませんよね。
しかし家づくりという面で見るとどうでしょうか。
今や家づくりの定番となっているダイニングキッチンとリビングに、仕切りをつくらずキッチンを対面式にするスタイルは、共働きが当たり前となっている現在のライフスタイルにフィットした合理的な考え方です。
・ダイニングで宿題をする子供たちの姿を見ながら、
・リビングで遊ぶ子供たちの姿を見ながら
キッチンで食事の準備や後片付けが出来るし、
リビングに取り込んだ洗濯物をたたむことが出来るからです。
また、
・キッチンで作業をしながら
お風呂に入る子供たちの姿だって見ることが出来ます。
要するに「ながら作業」がしやすい間取りなのですが、家事・育児に仕事に忙しい奥さんが少しでも自分の時間をつくるためには、この合理性というのは必要不可欠ですよね。
弊社でもこのリビングダイニングキッチン(LDK)を生活の中心とした間取りづくりをしているのですが、このLDKにまつわることで2つ“推奨していないこと”がありますのでご紹介いたします。
リビングダイニングキッチンを広くし過ぎない
注文住宅で家づくりを進められる方から非常に多くいただくお声として、リビングダイニングキッチンを広くしたい。
このようなお声は非常に多いです。
当然、家を建てて住んだ後、ここでほとんどの時間を過ごすのだから、出来るだけ広くしたいと考えられますし、そのお気持ちは凄くよく分かります。
しかし、このリビングダイニングキッチンとて、他のスペース同様に広げれば広げるほど、建築コストとして跳ね返ってきます。
しかも、面積がアップする比率が高いためその分コストの上がり幅も大きくなり、他の場所の広さを狭めて相殺しようとしてもとてもじゃないけど追いつかない。
このような事態になりかねません。
また、リビングダイニングを広げた場合、どこに余白が出来るのかというと
ダイニングとリビングの間です。
つまりダイニングテーブルとソファーの間に、スペースが出来るというわけです。
その結果、子供たちがこの余白に色んなものを置き散らかしていくことになります。
いつも使うものを、いちいち自分の部屋に片付けるのは面倒臭いですし、ましてや自分の部屋が2階だとしたらなおのこと置きっぱなしにしちゃいますよね。
以上の理由から、リビングダイニングキッチンを闇雲に広げるのではなく、”ちょうどいい広さ”でつくるのが一番良いと思っている次第であります。
私の経験から申し上げると、16帖という広さが、最も“ちょうどいい広さ”ではないでしょうか。
人は余白があると埋めたくなるという性質を備え持っています。
仮にリビングダイニングキッチンを広げ過ぎたせいで1階に充分な収納が取れなかった場合はどうなるでしょうか。
恐らく、せっかくの広々したリビングの周辺にチェストや収納家具を購入し置いていくことになるはずです。
その結果、部屋が狭く感じることになってしまうということにつながります。。
要するに、リビングダイニングキッチンを広げると、できた余白を埋めるため物を購入する。
更なる出費をして、空間を狭くしようとするという、非合理的な行動をするというわけです。
家事室の必要性について
先ほどのリビングダイニングキッチンを広げたいというお声と同様にいただくお声が多いのが、「家事室」です。
この「家事室」ですが、建築コストを上げる原因となるため、弊社では作らなくていいかな、と思っているスペースです。
だって、せっかく子供たちの様子が見えるところで家事をすることが出来る間取りになっているのに、わざわざ離れた部屋で家事をこなす必要なんてないと思いませんか?
確かにリビングダイニングキッチンを、
「いつもキレイに保ちたい」
「生活感を出したくない」
という気持ちは、よく分かります。
また、「家事動線をさらに短縮し、より合理的に家事をこなしたい」という気持ちも非常によく分かります。
しかし、仮にこのスペースを3帖で作ったとしたら、それだけで家の価格が【100万円】ほど高くなってしまいます。
また、このスペースで快適に家事をするために、この部屋にも冷暖房を設置するとなれば、更に出費が増えることになるでしょう。
なので、これから家を建てる方は、「コスト」という観点にも目を向け、不用意に面積が広がらないように意識しながら、家づくりをしていただければと思います。
最後に
今回はライフスタイルと間取りづくりというテーマでお伝えをいたしました。
「広すぎる」「不必要に」
広げる、新しくつくるとなると必ずお金が必要になってきます。
本当に必要な部分にお金をかけて、本当に必要ではない部分にお金はかけない合理的な家づくりこそが、実際に住んだ後の合理的な暮らしにもつながると思います。
現在は、以前に比べて家の価格が高くなっているし、原油次第で今後さらに価格が上がることも充分考えられますしね。
それでは。