平屋で採光に気をつける|間取りの固定概念を払拭

こんにちは。

相塲工務店の相塲です。

 

弊社は鹿児島市で、注文住宅、リフォームを展開しております。

自然素材はもちろん、高性能住宅や、設計の工夫で住んだ後を大事にした家づくりを皆様にご提供しています。

 

今回の記事は以下のような方に向けて書いています。

 

・新築住宅の購入を検討している

・理想の間取りについて知りたい

 

これらの方は、是非今回の記事をお読みください。

 

 

目次

1 採光とは

2 平屋は採光に気をつける

(1)平屋も間取り次第

3 採光が取れる平屋にするためには

4 平屋で中庭を設けると通風も可能になる

5 平屋住宅にするメリット

6 まとめ

 

 

1 採光とは

採光とは、住宅の室内に室外から窓を通して光を取得することを言います。

また、建築基準法では、居室の床面積の1/7以上の面積の採光に有効は開口部が必要であると定められています。

このことを、有効採光面積と呼びます。

 

関連記事:採光とは?住宅に必要な2種類の採光と間取りの関係

 

2 平屋は採光に気をつける

鹿児島県にお住まいの方と日々お話をしていると、

 

「部屋は南向きであるべきだ」

 

という固定概念に縛られていると感じることが多いです。

 

土地がよほど広くない、限り必然的に2階建ての家を建てざるを得なくなります。(私の感覚では80坪以上ぐらいでしょうか)

 

たとえ、その土地が平屋を建てるに充分な広さがあるとしても、です。

(50坪〜60坪ぐらいの感覚です)

 

南に家が建っている土地で、1階にある部屋の中に安定的に光を届けるためには、充分な距離を確保する必要があるからです。

 

結果、余分に出来た土地にも工事を施さないといけなくなり、その分、外構工事費用が高くなります。

 

プライバシーや景観を守るために目隠しや、植栽、フェンスなどの工事も確実に必要となるので、なかなかなコストアップになるでしょうしね。

 

(1)平屋も間取り次第

直射光だけではなく、「天空光」を使うことを前提として間取りを考えれば、

これまで平屋なんて絶対に無理だと考えていた土地にも、平屋を建てることが出来るようになります。

 

直射光だけに頼らず天空光を活用出来れば、南に建お家との間に採光のために距離を開ける必要がなくなるからです。

 

 

例えば、間口12m×奥行き15mの北向き約55坪の土地には、2階建ての家しか建たないと考えられがちです。

 

しかし、通常採光確保のために必要だと考えられていたスペースにも家が建てられるとしたらどうでしょうか。

 

実は普通に4人家族が充分ゆったり暮らすことが出来る平屋のお家を建てることが出来ます。

 

空が見える明るく広々としたリビングダイニングキッチンに、それぞれの部屋と充分過ぎるぐらいの収納があり、室内干しが出来るほどゆったりとした自然光がたっぷりと差し込む脱衣スペースがある平屋を、です。

 

3 採光が取れる平屋にするためには

平屋でもしっかり採光が取れるためにはどうすれば良いでしょうか。

 

例えば、先ほどの土地で設計する場合、リビングダイニングキッチンは南ではなく「あえて北に配置」します。

 

なぜなら、北に配置すれば必然的に南に建つ家との間に充分な距離が生まれるからです。

 

そしてリビングダイニングキッチンの南側に外スペースをつくります。

 

これは、過ごす時間が圧倒的に長いリビングダイニングキッチンに直射光をふんだんに取り入れるためです。

 

これがいわゆる「中庭」と呼ばれるスペースなのですが、「中庭」をつくることによって、家の中心から光を採ることが出来、家全体に満遍なく光が届けやすくなります。

 

「中庭」をつくれば、南に建つ家からだけじゃなく、東に建つ家からも、そして西に建つ家からも、充分な距離を保つことが出来るからです。

 

また、敷地の南に配置した部屋には南から光は入らないものの、「中庭」に面する北に窓をつくれば天空光と南の壁に反射した光が家の中に入ってきます。

 

直射光に比べて安定した採光が確保出来るし、天空光は眩しくないことからとっても過ごしやすい空間をつくることが出来ます。

 

以上のような理由から、外周面に採光のための大きな窓をつくる必要がなくなるというわけですね。

 

言い換えると外周面は風を通すだけの小窓だけで充分だということになります。

結果、周りから家の中を見られる心配がなくなります。

 

そのためカーテンがいらなくなり、家族のプライバシーがしっかりと確保出来ます。

 

かつ、「中庭」には台風時に直風が当たらないことから、何かが飛んできた時に備えてシャッターをつける必要もなくなります。

 

平屋で中庭から採光を取るということは、とても大切なことだと言えます。

 

 

4 平屋で中庭を設けると通風も可能になる

平屋で採光を取るため中庭を設けると、通風も可能になります。

 

外周部の窓を大きい窓ではなく小窓とすることで、風の習性を利用することができます。

 

風の習性とは、「小さいところから大きいところに抜ける」ということです。

 

そのため、外周部にある小窓から入った風が、中庭にある大きな窓から抜けることで、家の中の通風を気にする必要がなくなります。

 

5 平屋住宅にするメリット

平屋で採光を取るため、中庭を設けると良いということはおわかりいただけましたでしょうか。

 

このように固定概念に縛られず、土地に合わせて間取りをつくることが出来れば、今も今後もずっと住みやすい平屋を手に入れやすくなります。

 

同時に、平屋の懸念点であるプライバシー性と防犯性の低さをスッキリ解消することも出来ます。

 

それ以外の平屋のメリットは、耐震面で発揮されます。

 

平屋は、2階建てに比べ重心が低いため、地震や台風の強風の影響も受けにくくなり、今後ずっと安心して暮らしやすくなります。

 

さらに、土地の日当たりを気にする必要もなくなることから、土地の予算を落とすことが可能となります。

 

そして、日当たりで諦めていた土地なども候補地として名乗りを挙げやすくなるでしょう。

 

無駄に広い土地を買う必要もなくなることからさらに土地代を抑えることも出来るし、土地面積が小さくなれば外構工事費用も抑えられますしね。

 

プライバシーを担保し防犯性を高めるための塀や植栽、目隠しといった工事も全くと言っていい程いらなくなりますしね。

 

そんなわけで、土地の周辺環境を加味した上で要望をしっかりと精査すべきだし、

その上で間取りをつくるべきであると考えている次第です。

 

6 まとめ

いかがでしょうか。

平屋で採光を取るための中庭の必要性や、中庭を設けることで外周面の窓が不要となり家のプライバシーが守られるというメリットを感じてもらえましたでしょうか。

 

採光の問題は、直射光を意識してしまうから起きてしまいます。

 

天空光という光の種類を知っていると、中庭を設けるという選択肢が生まれます。

 

光だけではなく、通風の問題も家の中心に中庭があり、その窓から風が通りますので問題になりません。

 

 

ただ、平屋を建てるとなると、少しコストアップしてしまう。。

 

土地が持つ問題の解決手段が「中庭」であるとしたら、施工面積が増えることからさらにコストアップしてしまう。。

 

などの不安があることも承知しています。

 

そこで次回は、コストを上げずに平屋を建てるために知っておいていただきたいことについてお伝えしていきたいと思います。

 

それでは。