鹿児島で家づくりを検討中の方必見!実家の農地を宅地に転用する方法と注意点

近年、建築費の高騰が続いており、家づくりを検討する際の大きな課題となっています。

特に鹿児島市にお住まいの子育て世代の方々にとって、コストを抑えつつ理想の住まいを実現する方法として、実家の農地を活用する選択肢が注目されています。

しかし、農地を宅地に転用するには、さまざまな手続きや費用が伴います。本記事では、農地転用の基本から費用の目安、注意点までを詳しく解説し、皆様の家づくりの一助となる情報を提供いたします。

 

建築費の高騰で注目!実家の土地を活用する選択肢とは?

新型コロナウイルスの影響や世界的な資材不足により、建築費はコロナ前に比べて30%以上も上昇しています。

このような状況下で、土地の購入費用を抑えるために、実家の土地を活用するという選択肢が現実的になってきました。特に鹿児島市内では、土地価格が高騰しており、土地を購入せずに済む場合、家づくりのコストを約1000万円前後抑えることが可能です。

ただし、実家の土地をそのまま利用できるケースは限られており、多くの場合、古い家の取り壊しや農地の造成が必要となります。これらの作業には追加の費用と時間がかかるため、事前の計画と準備が重要です。

 

農地活用の最初のステップ:地域と地目を確認しよう

市街化調整区域とは?農地転用の可否を左右するポイント

農地を宅地に転用する際、まず確認すべきはその土地が「市街化調整区域」に該当するかどうかです。

市街化調整区域は、都市計画法に基づき、市街化を抑制する地域として指定されています。この区域内では、原則として新たな建築物の建設が制限されており、農地を宅地に転用することが非常に難しいとされています。

市街化調整区域かどうかを確認するには、親御さんや市役所の都市計画課に問い合わせることが有効です。また、市役所のホームページでも区域の確認が可能な場合があります。

農業振興地域に含まれている場合の注意点と手続きの流れ

次に確認すべきは、その土地が「農業振興地域」に指定されているかどうかです。農業振興地域とは、農業の振興を目的として、農地の保全や利用を推進する地域として定められています。

この地域に含まれている農地を宅地に転用する場合、まず「農用地区域からの除外申請」を行い、その後に「農地転用申請」を行う必要があります。

農用地区域からの除外申請は、年に2回しか受け付けられず、申請から受理までに約半年かかることがあります。

一方、農地転用申請は毎月または2ヶ月に1回程度受け付けられ、受理までに1〜2ヶ月程度かかります。そのため、農業振興地域に該当する場合、造成工事を始めるまでに最短でも8ヶ月、場合によっては1年以上かかる可能性があります。

 

農地から宅地へ転用する際の費用とその内訳

農地転用申請にかかる費用と必要な専門家

農地を宅地に転用するには、行政書士や土地家屋調査士といった専門家の協力が必要です。これらの専門家は、農地転用の申請書類の作成や、土地の測量・分筆などを行います。これらの手続きには、約50万円程度の費用がかかると見込まれます。

水道の引込工事・水道加入金のポイントと費用感

農地には通常、水道が引き込まれていないため、新たに水道の引込工事を行う必要があります。この工事には、水道加入金を含めて約50万円程度の費用がかかります。ただし、前面道路に水道管がない場合は、より遠い場所から水道を引く必要があり、その場合は100万円以上の追加費用が発生する可能性があります。事前に市役所の水道課などで調査を行い、必要な工事内容と費用を確認しておくことが重要です。

造成工事の必要性と坪単価の目安(60坪・80坪の例)

農地を宅地として利用するには、造成工事が必要です。造成工事には、以下のような作業が含まれます。

 

  • 境界部分に設置する擁壁基礎工事
  • 表面の土を除去して処分する作業
  • 新たに土を入れる作業

 

これらの作業には、造成する面積1坪あたり約3万円〜4万円の費用がかかります。

例えば、造成面積が60坪の場合、180万円〜240万円、80坪の場合は240万円〜320万円程度の費用が必要となります。造成費用は、土地の状態や必要な工事内容によって異なるため、専門業者に相談して正確な見積もりを取得することをおすすめします。

 

農地を宅地に転用する際の注意点と事前準備のすすめ

農地を宅地に転用する際には、以下のような注意点があります。

 

  • 農地転用や造成工事には時間がかかるため、早めの計画が必要
  • 地域によっては、建築基準法や都市計画法の制限がある
  • 排水設備や道路の整備が必要な場合がある

 

これらの点を踏まえ、事前に市役所や専門家に相談し、必要な手続きや工事内容を確認しておくことが重要です。また、農地転用や造成工事には多くの費用がかかるため、予算の計画もしっかりと立てておくことが求められます。

 

まとめ:実家の農地を活用して家づくりのコストを抑えよう

建築費の高騰が続く中、実家の農地を活用して家づくりのコストを抑えることは、非常に有効な選択肢となります。ただし、農地を宅地に転用するには、さまざまな手続きや費用が伴います。本記事で紹介したポイントを参考に、早めの計画と準備を行い、理想の住まいを実現してください。

なお、農地転用や造成工事に関する詳細な情報や個別の相談については、専門の工務店や行政書士などにお問い合わせください。鹿児島市内で家づくりを検討されている方々のサポートを、心よりお待ちしております。