鹿児島で古い木造住宅は全改修か建て替えか?費用・地盤・耐震で比較解説

古い木造住宅の「全改修」と「建て替え」、どっちを選ぶ?

鹿児島で増える「実家の土地に家を建てる」という選択肢

近年、建築費の高騰により、実家の土地を活用して家を建てる選択肢が注目されています。特に鹿児島市では、子育て世代が実家の敷地を利用して新築住宅を建てるケースが増加しています。しかし、既存の古い木造住宅を全改修するか、建て替えるかで悩む方も多いのではないでしょうか。

建築費高騰時代に考える全改修か建て替えかの疑問

建築費が高騰する中、全改修と建て替えのどちらがコストパフォーマンスに優れているのかを検討することが重要です。特に、耐震性や断熱性、地盤の状態など、さまざまな要素を考慮する必要があります。

木造住宅の全改修と建て替え、費用面の比較

地盤調査費用の有無と改良工事の必要性

建て替えを行う場合、瑕疵担保履行法により、地盤調査が義務付けられています。地盤調査の結果、地盤改良工事が必要となるケースもあり、その費用が追加で発生します。

一方、全改修では基礎を残すため、地盤調査を行わないことが一般的ですが、地盤の状態を把握することは重要です。

解体費用の違いと職人の手間代

全改修では、基礎や主要構造部を残しつつ解体を行うため、処分する廃材が少なく、解体費用が抑えられる傾向があります。

しかし、残す部分を慎重に扱う必要があり、職人の手間が増えるため、手間代が上乗せされることがあります。

建て替えでは、全体を一気に解体できるため、手間は少ないものの、解体費用が高くなる可能性があります。

基礎工事・耐震強化で生じる追加費用

古い木造住宅の基礎は、布基礎が一般的であり、耐震性や湿気対策に課題があります。全改修を行う場合、基礎の補強や新たな基礎の追加が必要となり、その費用が発生します。建て替えでは、ベタ基礎を採用することで、耐震性や湿気対策が向上しますが、基礎工事の費用が全体の建築費に含まれます。

耐震性・断熱性を高めたいなら建て替えも視野に

布基礎とベタ基礎の違いとリスク

布基礎は、立ち上がり部分のみで構成されており、地盤の影響を受けやすく、耐震性や湿気対策に課題があります。

一方、ベタ基礎は、基礎全体が鉄筋コンクリートで構成されており、耐震性や湿気対策に優れています。建て替えを行うことで、ベタ基礎を採用し、住宅の性能を向上させることが可能です。

耐震リノベーションの限界と建て替えのメリット

全改修による耐震リノベーションは、既存の構造を活かしながら耐震性を向上させる方法ですが、構造上の制約や費用面で限界があります。建て替えを行うことで、最新の耐震基準に適合した住宅を建築でき、長期的な安心感を得ることができます。

全改修か建て替えかを判断するポイント

まずは地盤の傾きを確認しよう

古い住宅では、地盤の沈下や傾きが発生している可能性があります。建物の傾きは、ドアや窓の開閉のしにくさ、床の傾斜などで確認できます。傾きがある場合、地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良工事を検討しましょう。

基礎の亀裂・ズレがあれば建て替えが必須

基礎に大きな亀裂やズレがある場合、構造的な安全性に問題がある可能性があります。そのような場合、全改修では対応が難しく、建て替えを検討することが望ましいです。

耐震・断熱を含めた総合判断を

住宅の耐震性や断熱性、間取りの変更希望など、さまざまな要素を総合的に判断し、全改修か建て替えかを選択することが重要です。専門家に相談し、現地調査を行った上で、最適な選択をしましょう。

固定資産税や補助金も考慮した全体コスト

全改修後の固定資産税見直しについて

全改修を行った場合、固定資産税の評価額が見直される可能性があります。評価額の変更により、税額が増加することもあるため、事前に市区町村の担当窓口で確認しましょう。

全改修に利用できる補助金と注意点

全改修には、耐震改修工事に対する補助金制度が利用できる場合があります。例えば、魚津市では、耐震改修工事費用の5分の4を補助する制度があります(上限120万円)。ただし、補助金の内容や申請条件は自治体によって異なるため、事前に確認が必要です。

この記事では、鹿児島市で家づくりを検討中の子育て世代に向けて、古い木造住宅の全改修と建て替えの選択について、費用、地盤、耐震性などの観点から解説しました。それぞれのメリット・デメリットを理解し、専門家と相談しながら最適な選択をしてください。