古い家付きの売り土地は要注意?購入前に確認すべき4つのポイント
新築住宅の計画を進める上で、「どんな土地に建てるか」は家づくりの成功を大きく左右する重要なテーマです。
特に鹿児島市のように住宅用地が限られているエリアでは、「古家付きの売り土地」も有力な候補のひとつとなります。
一見、建物が建っているだけで取り壊せば済むと思われがちなこのタイプの土地ですが、実は見落としがちな注意点が数多く存在します。
この記事では、鹿児島市で家づくりを検討している子育て世代の方に向けて、「古い家付きの売り土地」を購入する前に必ず確認しておきたいポイントを、4つの観点から詳しく解説します。
古い家が残っている土地が売られている理由とは?
理由1|更地にするには解体費用がかかるため
まず最も大きな理由が、解体にかかる費用の問題です。
古家を解体するには、建物の規模や構造、使用している建材、立地条件によって異なりますが、一般的には30万円〜150万円程度の費用が発生します。中にはアスベストが使用されている建物もあり、その場合はさらに費用が跳ね上がることも。
また、建物を解体するためには、建築リサイクル法に基づく届出や近隣への事前挨拶、足場の設置など、さまざまな準備と手間が必要になります。これらを避けるために、売主はあえて建物を残した状態で土地を売りに出すことが多いのです。
特に不動産投資を目的としない一般の個人が売却する場合、コスト面を最小限に抑えたい心理が働きやすく、「現状渡し(建物あり)」の形での売却が主流となっています。
理由2|建物があると固定資産税が安くなるため
もう一つの大きな理由が、固定資産税の優遇措置です。
住宅が建っている土地には、「住宅用地の軽減措置」が適用され、200㎡(約60坪)までの敷地であれば固定資産税が最大6分の1まで軽減されます。
たとえば、評価額が180,000円の土地でも、建物があれば実質30,000円程度の評価額とみなされ、税額が大幅に軽くなるのです。
これにより、仮に売却までに数年かかったとしても、更地にして維持するよりは負担が少なく済むというわけです。売主にとっては非常に合理的な判断といえます。
古い家付き土地を購入する際の注意点4つ
① 境界やブロック塀の劣化状況を確認
土地を購入する際に最もトラブルが起こりやすいのが「境界線」です。
特に古い住宅が建っている土地では、境界ブロックが老朽化していたり、そもそも境界があいまいになっていることも珍しくありません。近隣との敷地トラブルを避けるためにも、以下の点は必ずチェックしておきましょう。
- 境界標(境界杭)が明確に残っているか
- 現在の塀が越境していないか
- 境界付近にトラブルや争いがなかったか(売主への確認・不動産会社にヒアリング)
さらに、境界ブロックが傾いていたり、基礎が劣化している場合は、撤去・再設置の費用がかかります。通常のブロック塀の補修でも数十万円〜100万円超の工事費がかかるため、外構の予算に組み込んでおく必要があります。
② 水道の引き込み有無と規格をチェック
築年数の古い住宅では、水道の引き込み状況にも注意が必要です。
以下のようなケースが考えられます。
- 上水道が未接続で井戸水や地下水を使用している
- 古い規格の水道管が使用されており、市の基準に合致しない
- メーターの設置場所が敷地外にあり、移設が必要
仮に再度引き込み工事が必要となった場合、費用は30万円〜80万円前後かかることも。水道局や不動産会社を通じて、事前に「給水装置図面」や「敷地内の配管図」を確認しておくと安心です。
また、鹿児島市では水道局が地域別に「配水区域」や「水質情報」を公表しています。家づくりをするエリアのインフラ状況を事前に調べておくと、より計画的に進めることができます。
③ 地盤の強さは「以前に家が建っていた」だけでは判断しない
「もともと家が建っていたから、地盤は問題ないだろう」──そう考えてしまいがちですが、これは非常に危険な思い込みです。
地盤の良し悪しは、その土地の地質・造成方法・地下水位などに大きく左右されます。特に鹿児島市は、火山灰土(シラス台地)など軟弱地盤も多いため、地盤調査は必須です。
ポイント:
- 古い家は地盤調査をせずに建てられていた可能性が高い(15年以上前は調査が義務化されていない)
- 新築時にはスウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)などの地盤調査を必ず実施
- 必要であれば地盤改良工事を行う(追加費用は50万〜150万円程度)
また、盛土によって造成された土地では「沈下」や「傾き」が発生しているケースもあります。地盤調査会社のレポートを基に、設計・施工計画をしっかり立てることが重要です。
④ シロアリリスクがある地域かどうかを想定する
築年数の古い家が残っているということは、それだけ周辺の住宅も古くなっている可能性が高いということ。つまり、シロアリが潜伏している確率も高くなるのです。
鹿児島のように温暖多湿な地域では、特に注意が必要です。実際、住宅地でのシロアリ被害は、目に見えないところで進行することが多く、被害が発覚した時にはすでに構造材が大きく損傷していることもあります。
対策としては:
- 建物解体時に周囲の地面を調査し、痕跡がないかをチェック
- 基礎工事前に土壌処理を実施(防蟻処理は5年保証が一般的)
- 施工会社に対して、標準のシロアリ対策メニューが含まれているか確認
安心して新築を建てるためにも、シロアリ対策は「当たり前の工程」としてしっかり取り入れておきましょう。
購入前に確認を!古家付き土地の検討ポイントまとめ
鹿児島市で家づくりを検討している方にとって、「古い家付きの売り土地」は、価格面でも立地面でも魅力的な選択肢です。しかし、目に見える条件だけで決めてしまうと、後になって多額の追加費用や予期せぬトラブルに悩まされることもあります。
改めて、確認すべき4つの視点をまとめます。
チェックポイント | 内容 | 費用リスク |
境界・塀 | 境界明確化、塀の状態確認 | 20万〜100万円 |
水道 | 引き込みの有無と配管規格 | 30万〜80万円 |
地盤 | 調査の実施、改良工事の必要性 | 50万〜150万円 |
シロアリ | 被害有無と予防処理 | 10万〜30万円 |
これらのポイントを押さえたうえで、事前調査を怠らず、安心できるパートナーとともに計画を進めていきましょう。
【鹿児島で家づくりを始めるあなたへ】
土地選びは「価格」や「広さ」だけで判断してはいけません。特に古家付きの土地は、目に見えない部分にこそ重要な判断材料があります。
私たちは鹿児島市の地域特性を熟知し、土地の選定から建築までトータルでサポートしています。家づくりに関する疑問やご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。