住宅ローンの変動型と固定型という返済方法とは?
こんにちは。
相塲工務店の相塲です。
弊社は鹿児島市で、注文住宅、リフォームを展開しております。
自然素材はもちろん、高性能住宅や、設計の工夫で住んだ後を大事にした家づくりを皆様にご提供しています。
今回の記事は以下のような方に向けて書いています。
・新築住宅が欲しい
・住宅ローンの返済が心配
これらの方は、是非今回の記事をお読みください。
1 住宅ローンの種類について
住宅を購入される際に多くの方は、住宅ローンを組みます。
そんな住宅ローンには、大きく「変動型」と「固定型」の2つの商品があります。
変動型商品とは、ネット銀行の主力商品である「変動金利」や、地方銀行が取り扱っている「3年固定」や「5年固定」などの最初の短い期間だけ金利が固定されている住宅ローン商品のことです。
一方で固定型商品とは、「フラット35」という住宅ローン商品のように、最初から最後までずっと金利が決まっている商品や、地方銀行が取り扱う「10年固定」という最初の固定期間が少し長めの10年で設定されている商品です。
(1)住宅ローン商品の特徴
変動型と固定型の住宅ローン商品の特徴を解説します。
それぞれの特徴としては、「変動型」は固定型に比べて金利が安いという利点があります。
一方で、金利に連動して返済額が変わるというリスクを持っています。
また「固定型」の中でも全期間固定型の商品は、ずっと返済が一定であり安心感を得られやすいという利点はあるものの、変動型に比べて金利が高いことから余分に利息を払う可能性が高いというリスクを持っています。
では、これら住宅ローン商品の特徴を考慮した上で、これから住宅購入をされる予定の方は一体どちらの商品を選んだほうがいいのでしょうか。
その答えを自ら導き出していただくために、もう少しそれぞれの商品について突っ込んでお伝えしていきたいと思います。
2 住宅ローンの今後の動向予測
今年、17年ぶりに日本銀行がマイナス金利を解除しました。
連日ニュースにもなっていましたが、この影響を直接的に受けるのは固定型の住宅ローンだけであり、変動型の住宅ローンは基本この影響を受けません。
なぜなら、マイナス金利が解除されたからといって変動型の住宅ローンが直接的に影響を受ける短期金利がすぐさま上がるわけではないからです。
今後日本でインフレが順調に進んだとしても、それが賃金上昇につながるのは
団塊の世代が一斉退職する2030年頃だと言われています。
実際そこから短期金利が上昇するまでは、さらにタイムラグがあると言われていますしね。
つまり、日本の景気が良くなりつつあるとしても、変動型の住宅ローンを左右する短期金利が上昇するまではまだ十数年かかる可能性が高いため「変動金利はかなり先まで上がらない」というわけです。
これが専門家たちの見立てです。
そして、その可能性が極めて高いとしたら、「元利均等払い」という返済方式が一般的である住宅ローンでは、変動金利を選んだおいた方が利息の払いを圧縮出来る可能性がグンと高くなります。
3 住宅ローンの元利均等払いと元金均等払い
住宅ローンの返済方式には2種類ございます。
それが「元利均等払い」と「元金均等払い」です。
「元利均等払い」とは、住宅ローンの返済額が一定で、利息と元本の比率が変化していくタイプのことを指します。
「元金均等払い」とは、元金の額がずっと一定で利息の額だけが変化していくタイプのことを指します。
このように住宅ローンの返済方式にも2種類あるのですが、元金均等払いは最初のうち返済額が高くなり過ぎることから、ほとんどの方が「元利均等払い」で住宅ローンを組みます。
(1)元利均等払いのおすすめポイント
この元利均等払いは、貸す側にとっては非常に有利な返済方式であるものの、逆に借りる側にとっては決して有利な返済方式ではありません。
なぜなら、最初のうちは元本比率が低く逆に利息比率が高いからです。
イメージとしては35年返済であるにもかかわらず、わずか最初の10年だけで半分近くの利息を収めることになるという感じでしょうか。
少しでも利息の過払いを防ぐためにも、少しでも金利が安い変動金利を選んでおいた方がいいというわけですね。
利息の払いが少ないということは元本の減りが早いということでもあり、元本が小さくなっていれば仮に十数年後、短期金利が上昇し住宅ローン金利がグンと上がるような事態になってとしても、返済負担が大幅に上がるというリスクも軽減出来るわけですからね。
これが「変動型」の住宅ローンを推す方たちの意見となります。
この他にも、変動型の住宅ローンは融資を受ける際にかかる手数料も安く、その分家づくりの予算が抑えられ、家や土地に余分にお金がかけられる、というメリットもあるのですが、これも大きな要素となると思います。
では変動型についての話はここまでにして次は固定型についてお伝えしていきたいと思います。
4 固定型の住宅ローンの背景
2022年末の日本銀行による「長期金利」の利上げによって、これに連動して金利が決まる全期間固定型の「フラット35」や、メガバンクの「10年固定」などが軒並み上昇しました。
しかし先日のマイナス金利の解除によって長期金利はさらに上昇しそうな流れです。
これを受けてネット銀行が戦略的に金利を下げている、変動型の住宅ローンとの金利差がさらに拡大し、ますます変動金利を選ぶ人たちが増えていくことが予想されます。
そんなわけでますます変動型に押され気味となる固定型の住宅ローンですが、個人的には金利が上がったとはいえ、まだまだ低水準で推移していることから、ずっと変わらない安心感が得られる固定型も選ぶ価値があると考えています。
当面の間、短期金利が上がらない可能性が高いことには同意しますが、その意見も現在時点での意見であり、それは今後の流れ次第で変化することだって十分あり得るからです。
そして、仮にそう遠くない未来に短期金利が上昇することになり、その影響を受けて変動型の住宅ローンが上昇してしまった場合、返済負担が上がることになり、
少なからず家計に影響を与えるからです。
かつ、そんな状況になってから固定型に乗り換えるのでは「時すでに遅し」だからです。
恐らく短期金利が上がる頃には長期金利はかなり高い状態まで上がっている可能性が高いです。
仮に住宅ローンを借り換えするとなれば、再度、団体信用生命保険に加入し直すことになります。
年齢を重ねるごとに加入出来なくなるような病気を発症する可能性も上がっていくという懸念点も考えられますしね。
5 住宅ローンは固定型がいいと思う理由
住宅を購入し、家を建てると同時に住宅ローンの返済期間と同じ期間「NISA」を利用しつつ「長期積立投資」をやり続けることがこれから家を建てる方にとって必須項目だと考えています。
多少金利が高くとも返済負担がずっと変わらない固定型の住宅ローンを選んでおいていただく方が、継続して安定した資金をここに投じていただきやすいのでは?
というのも1つの理由です。
「長期積立投資」に安定した資金を投じ続けた方がいい理由は、これをやり続けることによって増えるお金の量が住宅ローンによって支払う利息よりも圧倒的に多い可能性が高いからです。
場合によったら家計が不安定になることによって「長期積立投資」が断絶する可能性すら考えられる変動型の住宅ローンを選ぶよりも、そうなる可能性が低いであろう家計が安定しやすい固定型の住宅ローンを選んでおいていただく方がいいんじゃないか?
というのが個人的な考え方です。
6 住宅ローン商品を選ぶ際に必要となる資金計画
固定型の住宅ローンは変動型の住宅ローンに比べて金利が高く、返済負担を上げないためにはその分借入額を減らさないといけません。
かつ、住宅ローン借り入れ時に銀行に払う手数料も余分にかかるため、その分さらに土地や家にかける予算を縮小しないといけないというデメリットもあります。
ゆえ、どちらかというと固定型の住宅ローンを選びたいなとお考えの方は、これらを踏まえた上で家づくりの全体計画を立てないといけないということを忘れないようにしていただければと思います。
7 まとめ
本日は、住宅を購入する際大事になってくる住宅ローンの変動型と固定型という返済方法について解説しました。
現時点では固定型は非常に不利な状況ではあると思いますが、安心感が得られる固定型を捨てがたいのもまた一つの事実なので、あまり変動型に偏らず読んでいただけたらと思います。
様々な憶測や予測を見る機会も、家づくりや住宅購入をされるからこそ多くなってくるかと思います。
人生において大事なイベントである住宅購入ですが、購入後に多くの負担がのしかかってきます。
家を負担にしないために、様々な選択肢の中から選んでいくことも家づくりです。
そのための情報発信はこちらのコラムから行いますので、ぜひ皆様の家づくりや住宅購入の手助けとなれば幸いです。